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アンジェリカ 第二節8 裁判(さいばん)
2007-10-06 Sat 22:00
 三日後、僕と父は裁判を傍聴するため裁判所を訪れた。

 僕は父を止めたが、父は頑として聞き入れず、結局押し切られる形で僕は歩くことも儘ならない父を支えてここに来ることになった。

 三日の間に父の友人の腕の確かな弁護士を頼み、憲兵詰め所からも確たる証拠があるというお墨付きをもらった。

 準備は、万端だった。

 そして、裁判は……

 意外な形で終わった。

 僕たちの、完全敗北

 憲兵や弁護士の異議も全て却下され、犯人たちには全員無罪の判決

 父は、取り乱して法廷に乱入しようとしたところを憲兵に取り押さえられるという事件まで起こしてしまった。

 この国では、裁判は一度判決が出たらそれは覆ることはない。

 法は……僕と父を……そして姉を……見捨てた。

 父は法務官の地位を剥奪され、憲兵に拘束された。

 僕は憲兵詰め所で何とか父に会うため面会の許可を申請していた。

 憲兵詰め所の地下は牢としての役目を果たしている。

「何ですぐ父に会えないんですか!?」

 僕は事務員に食って掛かった。

 家族面会は通常すぐ受理されるはずだ、それくらいは学生でも法を専門に勉強している僕にはわかることだった。

「何でといわれましても彼は今面会謝絶となっておりますので……」

「そんな馬鹿な、僕はケイン=ストライフの身内です、家族面会はそう簡単に断れないはずだっ!」

 僕は声を荒らげた。

 今回ばかりは僕も怒らずにはいられなかった。

 昨日の判決、今日の面会謝絶、何もかもが不条理だった。

「なんと言われても面会は出来ません、お引取りを」

 事務員は冷淡に言う。

「クソッ」

 僕は悔しさに思わず毒づき、事務員に背を向け歩き始める。

 憲兵詰所から出た僕の肩からフッと力が抜ける

(父さん、法は弱いものの味方じゃあ……なかったよ)

 僕は心の中で父に語りかけ空を見上げた。

 少しにじんだ空を見上げていると、僕の耳に憲兵たちの会話が入ってくる。

「おい、出動だ」

「またですか?」

「こないだの強姦殺人といい……忙しいな、今度は何なんだ?」

「神父の惨殺死体が川から上がったらしい、行くぞ」

 僕は神父という言葉に反応する。

 憲兵たちはもう身支度を整え現場に走っていた。

 僕も彼らを追って走り出していた。




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